子どもの発達や言葉のことで、ふと不安になることはありませんか?
「この子、大丈夫かな?」「私の育て方が悪いのかな?」
そんな思いを抱くママやパパの気持ちに、言語聴覚士を目指す立場から少しでも寄り添えたらと思い、この記事を書きました。
不安は自然な感情―心理の5段階のうつりかわり
人が大きな不安やショックに直面したとき、心の中では段階的な変化が起こると言われています。これは「悲嘆のプロセス」とも呼ばれ、次の5つの段階があります。
① 否認(こんなはずはない)
最初は現実を受け入れられず、「うちの子に限って…」という気持ちが湧いてくることがあります。
② 怒り(どうしてうちの子が)
不安や悲しさが怒りとなって表れ、自分自身や周囲にイライラしてしまうことも。
③ 取引(これをすれば良くなるかも)
「〇〇を頑張れば治るかも」と希望を探したり、何かと引き換えに状況を変えたいと願う時期。
④ 抑うつ(どうしようもない…)
現実が見えてきて、深い悲しみや無力感を抱えるようになります。
⑤ 受容(これが今の現実なんだ)
時間をかけて、ようやく少しずつ受け入れる準備が整い、前向きな行動に気持ちが向かっていきます。
このプロセスを経るのは、ごく自然なことです。順番通りに進むとは限らず、行きつ戻りつしながら、少しずつ心が整理されていきます。
不安とどう向き合えばいい?
では、不安な気持ちとどう付き合っていけば良いのでしょうか?いくつかのヒントをご紹介します。
● 感情を否定しない
「こんなふうに思っちゃダメ」と感情を抑え込むのではなく、「今、自分は不安なんだな」とその気持ちに気づいてあげることが大切です。
● 小さな変化に目を向ける
毎日大きな変化があるわけではありませんが、「今日は目が合った」「音に反応した」など、ほんの小さな成長を見つけていきましょう。
● 情報を取りすぎない
インターネットにはたくさんの情報がありますが、かえって混乱や不安をあおることも。信頼できる情報源だけを参考にしましょう。
● 専門家とつながる
一人で判断せず、保健師さんや言語聴覚士、発達支援センターなど、相談できる場所に頼ってみましょう。プロの目で見てもらうことで、安心感が生まれます。
一人で抱えこまないで
子育ての悩みは、誰にでもあるもの。でも、「こんなことで相談していいのかな?」とためらってしまう方も多いです。
でも、頼ることは、愛情の証。
お子さんを大切に思っているからこそ、不安になるのです。
自分一人で抱え込まず、誰かと気持ちを分かち合ってください。
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最後に
子どものことを想って悩むその気持ちこそが、何よりの愛情です。
不安は悪いものではありません。
それは、お子さんを見つめ、育てようとする“まっすぐな思い”の表れ。
完璧な親でなくていいんです。
「心配だけど、今日も一緒に過ごせた」
そんな一日一日が、きっと未来につながっています。
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