言語発達がゆっくりなお子さんを育てていると、「この先、困ることが増えるのでは?」と不安に思うこともあるかもしれません。
言語発達遅滞は、その子の個性や発達の一部として現れることが多く、必ずしも重い障害につながるわけではありません。
とはいえ、言葉の遅れによって起こりやすい困りごともいくつかあります。ここでは、言語発達が遅れている子どもによく見られる困りごとや、周囲ができるサポートについてわかりやすく解説します。
ことばの遅れによって起きやすい困りごと
1. 友達とのコミュニケーションがうまくいかない
言語発達遅滞のある子どもは、自分の思っていることをうまく言葉で伝えられないことがあります。その結果、友達とすれ違ったり、誤解されたりしてトラブルになることもあります。
また、相手の話を理解する力(理解言語)にも課題がある場合、指示や会話の内容を取り違えてしまうこともあります。
2. 学習面でつまずくことがある
小学校以降、学習は「聞く」「読む」「書く」などの言語的な力を多く必要とします。言葉の理解や表現に課題があると、授業についていくのが難しいと感じることもあります。
たとえば、「○○を△△してから□□してください」といった指示をうまく処理できない場合、課題を最後までこなすのが難しくなることがあります。
3. 自信をなくしてしまうことがある
「うまく話せない」「みんなに伝わらない」と感じる経験が増えると、子どもは自信をなくしてしまうことがあります。
話すことを避けるようになったり、集団の中で静かになってしまったりするケースもあります。
言語発達遅滞があっても、心配しすぎなくて大丈夫
言語発達遅滞があるからといって、必ず大きな問題が起こるわけではありません。
子どもにはそれぞれ発達のペースがあり、「言葉はゆっくりでも、身ぶりや表情で気持ちをうまく伝えられる」など、他の力で補っていることもあります。
また、適切なタイミングで支援を受けることで、言葉の力がぐんと伸びるお子さんも多くいます。
子どもを支えるために周りができること
1. わかりやすい言葉で話す
短く、はっきりとした言葉で話すことで、お子さんにとって理解しやすくなります。「○○してね」のように一文を簡潔にすることがポイントです。
2. 気持ちを代弁してあげる
「○○って言いたかったのかな?」と、子どもが言いたいことを代わりに言葉にしてあげることで、伝わる喜びや安心感を感じることができます。
3. 専門家のサポートを取り入れる
言語聴覚士(ST)や保育園・幼稚園の先生など、子どもの発達を専門的に見てくれる人に相談するのも一つの方法です。早めに支援を受けることで、お子さんの言葉の発達をサポートしやすくなります。
言葉の発達は、焦らずゆっくり見守って
言語発達が遅れていると感じても、子どもは日々成長しています。
「昨日より言葉が増えた」「伝えようとする姿が見られた」など、ちょっとした変化に気づいてあげることで、親御さんの気持ちも少しずつ軽くなるかもしれません。
困りごとはあっても、それを乗り越えていける力も子どもはしっかり持っています。
まとめ:その子のペースで育っていけるように
言語発達遅滞がある子どもは、周りの理解やサポートによって大きく成長します。
「うちの子、大丈夫かな」と感じるときこそ、焦らず、子どものペースに寄り添うことが何より大切です。
困ったときは一人で抱えず、専門家や周囲の人と一緒に、お子さんの「伝えたい」「分かりたい」気持ちを支えていきましょう。
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